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仕入屋錠前屋74 光の渦 2

 朝方、眠るというより気絶するという感じで数時間寝るには寝たものの、前夜は宣言通りほとんど寝かせてもらえなかった。俺より年上のくせしてあいつの身体は一体どうなってるんだと文句を垂れながら、哲は寝不足で不機嫌なまま帰宅 […]

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仕入屋錠前屋74 光の渦 1

 なあ、光の渦が見えるか  これは何だろう  いいものなのか、そうでないのか  まあ、どっちでもいいか  どうせ俺には良し悪しも──善し悪しもわからないのだから  とても  きれいだ      あ […]

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仕入屋錠前屋73 ここまで来てしまった 2

「何じろじろ見てやがんだ、ああ?」  気に食わない人間に因縁をつける怖いお兄さんそのものの顔をじっくり眺めて、秋野は緩く首を振った。 「やっぱりあいつはおかしい」 「はあ? おかしいのはてめえだろうが」 「俺もおかし […]

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仕入屋錠前屋73 ここまで来てしまった 1

 やたらしつこく電話が鳴るからてっきり哲の嫌がらせかと思ったら、ディスプレイに表示された番号はヨアニスのものだった。  部屋の中はまだ夜明け直前の薄青さに沈んでいた。早朝に何事かと一瞬思ったが、考えてみたら向こうは夜 […]

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仕入屋錠前屋72 エデンの架け橋 8.5

 一番近い部屋はシャワーもなく、薄っぺらいマットレスしかないらしい。  別にそれでも良かったが、食い物屋の臭いがするのが嫌で、シャワーを浴びたかったから二番目に近い場所でいいかと言われて頷いた。少し歩くが車だと通り抜 […]

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仕入屋錠前屋72 エデンの架け橋 8

「そんで、無事帰ったのか、弟は」  月曜の夜、勤務を終えて店の裏口から出たら、秋野が当然のような顔で道の向こう側に立っていた。別に嫌ではないが、嬉しくも何ともない。そういう思いが顔に出たらしく、秋野は唇の端を曲げて笑 […]

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仕入屋錠前屋72 エデンの架け橋 7

 大和にとって秋野は、顔見知りに限りなく近い親戚だ。  年に数回しか会わないし、会ったところで長時間一緒にいられることはほとんどない。せいぜい数時間、それも二人きりで会うわけではなく大抵両親や祖母が一緒だ。だから、誰 […]

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仕入屋錠前屋72 エデンの架け橋 6

 秋野に連絡すると、部屋の準備はできたらしいが、先に飯を食うという。大和の普段の生活は知らないが、卒業間近とは言え高校生だし、哲や秋野と違って深夜に飲んで何も食わずにおしまいということはないだろうから、妥当な判断と言 […]

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仕入屋錠前屋72 エデンの架け橋 5

 ファッションビルを出て少し歩いたところで哲の電話が鳴った。表示された名前はバイト先の奴だったので、その辺で待っててくれと大和に伝え、道路に面したビルの入り口脇に避けて応答した。  用事は飲みの誘いと、次のシフトの相 […]

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仕入屋錠前屋72 エデンの架け橋 4

 ぼんやりと行き交う客の頭を見ていたら、背後から呼ぶ声がしたので肩越しに振り返った。哲は吹き抜けを囲む手摺から手を離し、大和のほうに足を向けた。  秋野から連絡が来るまでに行きたいところはないかと訊ねると、少し考えて […]