24 コインランドリー、幕切れ
雑踏の中で誰かと目が合うことは意外によくある。その人物を見ていたわけではなくても、たまたま同時に顔を上げたとか、同じ音に反応して同じ方を向いたとか。 そのとき哲がそちらに目をやったのも、やたらでかい声で叫んだ奴が […]
23 洗濯機、コインランドリー、その後
神輿を担ぐ祭のようだ。 でかい洗濯機を運ぶ男たちを見て、秋野はそんなことを考えていた。 思い立って電話をかけてから三十分しか経っていない。こんなときに今の仕事をしていてよかったと思うし、同時に馬鹿みたいな気分に […]
19 コインランドリー
「お兄さん」 コインランドリーの椅子に腰かけてスマホでニュースサイトを見ていたら声がした。 目を上げると、出来上がった洗濯物を畳みながらこちらを見ている男と目が合った。 数分前に自動ドアが開いて、哲が座っている […]
18 G現る(詳細な描写は出てきませんが、苦手な方はご注意を)
戻って来た哲を見て、秋野は形のいい眉を引き上げた。 「何だ、一体」 「何だって何だ、人の顔見るなり失礼な奴だなてめえは」 「気づいてないのか? ここに──」 「知ってる」 哲は伸びてきた長い指を思い切り叩き落とし […]